親権争いで母親が有利って本当?


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親権争いで母親が有利って本当?

親権の獲得は母親が有利だと言われる理由

親権の獲得は母親が有利だと言われる理由

子供を持つ夫婦が離婚する時、誰が子供の親権者となるかを決める必要があります。
母親の方が親権を獲得するのに、有利だと聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
一般的に10歳以下の子供である場合のほとんどは、母親が親権を獲得しています。
母親が有利だと言われている理由は様々ですが、子供が生まれてからこれまで主となって子供を育ててきた人が母親である場合がほとんどであることが最大の理由です。
10歳以下の子供は幼いため、生活面でお世話をしなければなりません。
母親がお世話をずっとしてきたのであれば、離婚後も母親が親権者となった方が子供にとって幸せであり、安心して暮らせるという考えに基づきます。
現在の生活環境に特段の問題がないならば敢えて環境を変化させて子供に無用の心理的ストレスを与えるべきではないというわけです。
これが、母親が有利になるという大きな理由です。

母親が有利とはいえないケースもある

母親が有利とはいえないケースもある

しかし、全ての母親が親権の獲得に有利というわけではありません。
例えば、母親が育児放棄をしているケースや、子供の教育や養育に問題があった場合は父親が親権者となることがあります。
親権者の決定は、子供が安心して幸せに暮らせるかどうかが大きなポイントです。
父親が親権を持った方が、子供にとって幸せと判断されるケースには親権者は父親になります。

また子供が成長するにつれ、次第に子供が自分一人でできることが増え、自立心も芽生えてきます。
当然、親による日常の世話を必要とする場面は減っていきます。
そしてまた子供は次第に自分の気持ち、考え、感情を人に明確に伝える能力も育ってきます。
そうすると10歳以下の子供について当てはまった母親の有利性は全く当てはまらなくなります
。概ね10歳以上の子供であれば、子供の意思、気持ちを無視して親権を決めることはできなくなるからです。
とはいえ、実際には、それまで夫婦同居が続いていたのにある日突然、離婚になるという場合を除けば(つまり離婚に先立ち別居状態が継続しているという一般の場合)、子供はそれまで一緒に暮らしていた親を親権者とすることを希望するのが普通ですので、結局は母親が親権者となる場合が多くなるかとは思います。
ただそれでも子供が10歳以上の場合には、一概に母親が有利であるということではなくて、あくまでも子供の意思が尊重されて決められた結果なのだということは意識しておいた方がよいでしょう。